従来の踵成形機では、モールドを上から押さえるパッドが、硬いシリコンゴム製で、形状が決まっており、自由度が無いため、モールドの仕様や形状が変わっても、正確に対応することができませんでした。
さらに機械の構造上、このパッドは簡単に交換するのが難しく、交換には非常に多くの
時間を要していました。
そのため、高寸や低寸のモールドの形状の違いや、紳士靴用と婦人靴用等の仕様の違いに
応じて、複数の機械を所有する場合がありました。
本機では、上側パッドがエアーパッドになっており、空圧でパッドの形状が変わるので、
踵の形状の変化にも柔軟に対応することが可能です。
また、紳士靴と婦人靴を兼用するような場合でも、その都度パッドの交換することがなく、兼用が可能になります。
さらに、本来、モールドは加熱する必要があり、踵の形状に合わせてモールドを交換した場合には、そのモールドの温度が上昇するまで、機械の操作を待つ必要がありました。
しかしながら、本機には機械の側面にモールドの予熱装置を有しており、交換用のモールドが予熱された状態で準備しておくことができ、かつそのモールドも簡単に交換できるため、交換に要する作業時間が大幅に短宿され、作業効率が大きく向上します。
本機は従来機に比べて、作業性や汎用性が大幅に改善されているため、少量多品種の小ロット生産が多い日本の製靴メーカーにとっては、大きな効果が期待できる機械です。